「うちの会社は意思決定が遅い」という悩みを持つ経営者は多いです。しかし、その原因を「管理職の判断力が低い」と結論づけてしまうと、解決策が的外れになります。意思決定の遅さは、多くの場合、個人の能力ではなく、組織の構造から生まれています。
承認フローが多すぎる ¶
「この金額以上は部長承認、さらに上は役員承認」という承認フローが、実態に合わなくなっていることがあります。会社が小さかった頃に作ったルールが、組織が大きくなっても変わっていない。結果として、5万円の備品購入に3人の承認が必要になる。承認フローの見直しは、「権限を委譲する」という意思決定が必要なため、経営者が自ら動かないと変わりません。まず現在の承認フローを書き出し、「この承認は本当に必要か」を一つずつ問い直すことから始めます。
判断に必要な情報が揃っていない ¶
「判断が遅い」と言われる管理職の多くは、判断に必要な情報が手元にないまま判断を求められています。数字がない、前例がない、上位方針が不明確。この状態で「早く決めろ」と言われても、根拠のある判断はできません。情報の流れを整えることが、意思決定の速度を上げる最も確実な方法です。誰がどの情報を持っていて、誰に届いていないかを可視化することが、診断の第一歩になります。
責任の範囲が曖昧 ¶
「誰が決めていいのか」が明確でない組織では、判断が上に上がり続けます。自分が決めていいのかどうかわからないから、念のため上司に確認する。上司も同じ理由で、さらに上に確認する。この連鎖が、意思決定を遅らせます。責任の範囲を明確にするには、役職ごとの「決めていいこと・決めてはいけないこと」を文書化することが有効です。この文書化の作業は、組織診断・構造改善プログラムの中で必ず行います。
「失敗した場合の責任」が重すぎる ¶
意思決定が遅い組織のもう一つの特徴は、失敗に対するペナルティが大きいことです。失敗すると強く責められる文化がある組織では、判断を先送りすることが合理的な行動になります。「決めなければ責任を取らなくていい」という状態です。この文化を変えるには、経営者が「失敗した判断」と「判断しなかったこと」のどちらをより問題視するかを、言葉と行動で示し続ける必要があります。
意思決定の速度は、トレーニングより構造の見直しで改善します。自社の承認フローや責任範囲を一緒に整理したい方は、よくある疑問と答えのページもご覧の上、まずはご連絡ください。